一般社団法人日本放射線看護学会第13回学術集会
学術集会長 松成 裕子
(鹿児島大学医学部保健学科兼任地域防災教育センター)
このたび、一般社団法人日本放射線看護学会第13回学術集会を令和6年9月14日(土)、15日(日)に鹿児島大学郡元キャンパスを会場として開催させていただくことになりました。
早いもので長崎、弘前、鹿児島の三大学で任意団体の日本放射線看護学会を立ち上げてから第13回の学術集会となりました。学会理事長も小西理事長、草間理事長、そして、一般社団法人「日本放射線看護学会」となり、太田理事長の三代目となりました。ここにきて、設立時の念願であった放射線看護専門看護師の誕生、活躍の兆しを感じることができるようになりました。学会も、放射線看護の発展と専門的な活動の質向上に寄与すること、臨床、地域、産業等の領域を横断して、放射線にかかわる看護実践と知の集積を目指すこと、平常時、事故や異常、緊急時、回復期の放射線看護を探求することを目的とし、学術集会、総会の開催、ニュースレターの発行などの活動を続けています。
今回の本大会では、メインテーマを「放射線看護の黎明と創設期から発展と進化に挑む」とし、放射線看護の黎明と創設期に多大なる功績をあげられた先生方の鼎談を行います。そして、基調講演では、「がん看護CNSとしての役割の遂行、拡大を図った経験から放射線看護専門看護師への期待」というテーマに沿って、三浦浅子先生からがん専門看護師として放射線看護の高度実践看護師教育課程に学ぶ学生達のモデルとなり、導いてくださった実績から、放射線看護専門看護師の可能性についてご講演いただきます。そして、シンポジウムでは、放射線診療の現場において、多職種と連携し、医療の多様な側面に深く関わり、患者ケアにおいて不可欠な役割を果たしている看護師たちにそれぞれの領域の専門性やそこでの調整、連携の役割の果たし方などを話してもらいます。また、最先端のETHOS装置を活用し、活躍なさる放射線腫瘍医、IVRの現場と原子力災害拠点病院で被ばく医療の進化に尽力する医師、放射線教育、放射線防護研究者として放射線看護専門看護師の教育に貢献くださった薬剤師の先生に「誕生した放射線看護専門看護師への期待」を含めて看護師の実践に期待することを語っていただきます。他にも、鹿児島大学地域防災教育研修センターとの共催による放射線リスクコミュニケーションのワークショップ、日本放射線技術学会共同セミナー、交流集会などを予定しています。この集会を通じて、私たちは放射線看護の現状を理解し、未来に向けての新たな道を切り開く機会を持てることを心より嬉しく思います。
参加者にとって有意義で記憶に残る学術集会となるよう、現在、関係者一同、懸命に準備を進めておりますので、会員の皆様をはじめ、多くの非会員の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。